日経にも出ていたみたいですが、いつの間にか(といっても今月ですが)ジンバブエの通貨が変更となっていました。
・ジンバブエ政府は金を裏付けとして新たなジンバブエドルの発行を決めました(略称はZiG)
https://www.aljazeera.com/news/2024/4/5/zimbabwe-introduces-new-gold-backed-currency-to-tackle-inflation
・8桁ほどデノミを実行した
(英語の意訳)
ある意味伝説となった100兆ジンバブエドルが発行されたのが2008年で、あれから20年もたたないうちにまた新しい通貨を発行するのかい、と素直に思いました。当時発行されていた100兆ジンバブエドルとそれとは別で後に発行されたジンバブエドルはすでに使えません。わかりずらかったかもしれないですが、20年のうちにジンバブエは自国通貨を2回ほど放棄したことになります。どこをどうやればそんな状況が生まれるのか全くわからないです。
早速、ジンバブエでは、公務員や農園での労働者はZiGで給料を受け取っているようです。期待と不安が入り混じった新しいZiG、どのような展開を見せるのかがとても楽しみです。
余談ですが、このZiGは「金で裏付けされている」、ということで、将来的に発行されるかもしれない、BRICS通貨につながるのかな、とちょっと思っていたりします(一説によればこのBRICS通貨は「金で裏付けられる」との事)。今年のロシアでの会議で少なくともこの新通貨に関する議論はされると思います。近い将来これが実現した暁には、ZiGからこちらへ横滑りする(名前をすげかえるともいうのでしょうか)のではないかなと勝手に思っています。まあ、BRICS諸国が賛同するかは別問題ですが。
それにしても、ジンバブエの国民の人たちは、ハイパーインフレ以降も経済的混乱のなかでよく生活できているな、といつも思っています。結局のところ、自国で仕事がないので(インフォーマルセクターを除く)、多くの国民が周辺国に行ってお金を稼いで、そこからジンバブエへ送金しているみたいです。最近はオンラインでお金を簡単に送金できるみたいですし。彼らは自分の知識を生かして仕事をしている人もいれば、誰にでもできるような仕事をジンバブエ以外の国でしているようです。ただし後者に関してはかなり厄介で、ジンバブエ人が働く分、他国の人間の仕事を奪ってしまっています(例えば、南アでジンバブエ人が安い労働力で仕事をしていたら、同じような仕事ができる(あるいは、しかできない)南ア人に仕事がいかなくなる)。これに関して、いずれもう少し細かい話をするかもしれませんが、ジンバブエのインフレが1日でも早く収まってほしいです。
まあ、さすがに「 1日に3回、ものの値段が変わる 」といった話は聞こえてこないと思っています。