今月の下旬に、ロシアで年に一度のBRICS会議(+が付くのかしら?)が行われます。
昨年は、もしプーチン大統領が南アに来たら彼を逮捕するかどうかで話題になりました。あとは、「議題にのせない」と公式が発表したにも関わらず、BRICSが新しい通貨を作る、とか騒いでいましたよね。
今年は加盟国が増えたことで、脱ドル化が進むぞー、欧米終わったー、日本もBRICSに入るべきー、と言って動画の再生数を増やしたい人たちがそろそろ出てきそうなので、今回のタイトルの話をしようと思います。ここはアフリカ南部の話題を取り上げるサイトなので、BRICSを南ア側から見ようと思います。その前に、一言だけ。
BRICSは人口が多いっていうけど、それって別に、自慢にはならないですよね。
皆さんご承知のとおり、BRICSの性格として、G7に対抗するような形で、政治的経済的に結びついている、というのがあります。その背景があるので、たとえ不倶戴天の敵といえども中国とインドが一緒になっています。まあ、G7だって仲の悪い国同士が同じテーブルにいますよね、英仏とか、英仏とか。
最近は加盟国の増加によってBRICS+という表現が見られますが、そのうち浸透することになるのでしょうね。
ちょっと前の記事になりますが、南アと他のBRICS4ヶ国の2023/24シーズンの貿易額が出ていました。
他のBRICS国 2023年の赤字額(単位: 10億円)
ブラジル: 148.3, ロシア: 36.5
インド: 403.7, 中国: 966.5中国からの輸入額がほぼダブルスコアで中国への輸出額を上回っている。
South Africa’s big BRICS trade problem より
https://businesstech.co.za/news/government/789881/south-africas-big-brics-trade-problem/
1 南アランド= 8.2 日本円で換算
何と、南アは全4ヶ国に対して輸入が上回る結果となりました。つまりBRICS4ヶ国だけ見れば赤字です。国別で見ると、上にある通り、中国に対する貿易赤字額がひどい事になっていて、およそ9700億円になります。というわけで、中国との貿易に関しては、推測になりますが、南アフリカは自国の鉱物資源だけを持っていかれて、その代わりに安物(多分かなりの量)を押し付けられているような形にみえます。多少の中国産電気自動車も含まれているのかな。欧米で売れ行きが伸び悩んでいるみたいですし。
とはいえ、国全体で見ると、昨年度の南アは貿易黒字となっています。従ってBRICS以外を考慮すれば特に問題がないような印象を受けますが、この中国からの輸入の割合が輸入全体の約24%を占めており(南ア貿易統計より)、これが南アにとって頭痛の種になっているはずです。そうでなければ、前回の中国ーアフリカサミット(的なもの)で、ラマポーサ大統領が貿易格差を是正してほしいとは言わないはずです。
いずれ南アの貿易統計をまとめてみようかなと思いますが、今回書いた部分を軸にしようかなと思います。