2090年のボツワナを考えてみた

2090年なんて、また随分先の話と思われるかもしれませんが、今回のブログのきっかけは以下の記事になります。

Namibia 2090: A vision of hope and innovation
https://www.namibiansun.com/opinion/namibia-2090-a-vision-of-hope-and-innovation2025-01-24146125

記事の引用は控えますが、記事の感想は「今の延長線上でしかナミビアの2090年を想像していないから、ちょっと退屈だし、いい事しか書いていない」といったところです。では65年後のボツワナはどうなっているのか、という「予想」を少し書きたいと思います。あくまでも予想です。ただし、かなりネガティブな内容になっておりますので、お気を付けください。

ダイヤモンド

ボツワナ国内で操業されるダイヤモンド鉱山は1つだけになっていると思われます。なので、Debswana(デビアス社とボツワナ政府が共同で作った会社)の操業は国外(例えばアンゴラやジンバブエ)にもその活動地域を広げているでしょう。結局、ダイヤモンドはボツワナの主要産業の1つのままであり続けると思います。

エネルギー

基本的に、現状においても、国の中央部にある石炭火力発電所が「まともに」機能すれば、この国の電力はほぼ全てまかなう事ができます。ただ65年後にはこの発電所は老朽化で稼働していないと思います。新しい発電所を建てようにも予算がないので、遠い未来では計画停電が頻繁に発生することになると思われます。

食糧危機と人口流出

昨年のアフリカ南部における干ばつは、エルニーニョ現象によるものでしたが、今回の一件から多くのものを学びました。そして残念ながらパリ協定は何らかの原因で機能しなくなり、2090年の平均気温は協定での目標値よりも高くなっているでしょう。
そのようになると、ボツワナでは国民の多くが、食の確保にさらに困ることになり(食糧の主要輸入先の南アでも農業が厳しくなると予想される)、食料が比較的多い村に移動する、あるいは国外に脱出する、となっていくでしょう。
結果として、ボツワナ国内に残るのは、「ボツワナで生活できる上流階級」及び「どこにも動けない人々」になるのではないでしょうか。

ベーシックインカム導入

現在もインフォーマルとして働いて、税金を納めていない層が一定数あるのですが、「もう働かなくていいです」という名目で、ベーシックインカムが導入されるのかなと思います。ボツワナ国民は大喜びしますが、「今後、医療費は無料ではありません」という保健相の発言でびっくりするでしょう。正直、この頃になると、国の財政は今以上にひっ迫して、「税金を回収できない国民に、どう対処しよう」となって、この導入に至るのかな、と思っています。
ただし、ベーシックインカム導入後から少しずつ改悪されるのは容易に想像がつきます。
なぜなら、上に書いた通り、税金を取れる国民・移民が少しずつ国から出ていくからです。

かなりネガティブな内容になってしまいましたが、お読みになられた方はいかがでしたでしょうか。正直なところ、いくつかのポイントを端折っています。
2090年、その頃にはもう私は地球上に存在しないと思いますが、ボツワナがこのような状況にならないように願っています。