写真はとあるロッジにて(オリンピックと関係ないです)
パリオリンピックが終わりました。3週間に渡る激戦の中で、皆さんはどのような感想を抱かれたでしょうか。私はというと(誰も聞いていないと思いますが)、ボツワナが素晴らしい結果を残す事が出来たので、とても嬉しい気持ちになりました。もちろん、南アもすごいことやったな、と思っています。
陸上男子400mで、ボツワナの3選手(Ndoriさん, Kebinatshipiさん, Scotchさん)が全員準決勝に進出しました。残念ながら、決勝の舞台に立てる選手はいませんでしたが、来年の世界選手権(舞台は東京だそうです)に繋がることを成し遂げたのかなと、素人が勝手に思っています。
日程的には前後しますが、10日の男子4x400mリレーで、2012年のロンドン五輪以来の銀メダルを獲得しました。メンバーは上にも書いた、NdoriさんとKebinatshipiさん、そして、Peselaさんに、アンカーを務めたTebogoさんになります。最後は金メダルを獲得したアメリカとわずか0.1秒差で敗れてしまいましたが、前回の東京オリンピックの時には銅だったメダルの色が銀になりました。ちなみにNdoriさんは東京での銅と合わせて(種目は同じく4x400mリレー)2つ目のメダル獲得となりました。さらに、この4人のチームは20から25歳で構成されているかなり若いチームだったりします。次回の世界選手権、コモンウェルスゲーム、そして28年のロス五輪も好成績が残せるのではないか、と今から期待が膨らんでしまいます。
この4x400mリレーでアンカーとなったTebogoさん(フルネームはLetsile Tebogo)、男子100mと200mにも参加していました。男子100mでは決勝に進んだものの6位入賞となり、メダルには手が届きませんでした。そして、彼が得意としているであろう200mにおいては、準決勝を1位で通過した後、決勝ではなんとボツワナ共和国として初めてとなる金メダルを獲得しました。この200m決勝は運よくテレビで観ることが出来たのですが、直線に入って7コースのアメリカ代表のべドナレクさんをかわしてトップに立った後、「このまま最後まで走って!」と祈るしか出来ませんでした。金メダル獲得が決まった瞬間、叫んでしまったのは言うまでもありません。
実はTebogoさん、今年の5月にお母さまを亡くしていました。
「(母親が亡くなってから)約一か月くらい、何も手に付かなかった。私には陸上を続けるための理由を見つける必要があった」(意訳)
Athletics-Tebogo is pride of Africa wearing shoes for his mum
https://www.reuters.com/sports/olympics/athletics-tebogo-is-pride-africa-wearing-shoes-his-mum-2024-08-08/
あの舞台に立つ前に、とてつもない葛藤があったのですね。私の友人が亡くなった、という話を聞くだけで辛くなってしまうのに、それが自分の走りをずっと応援してくれていた母親だったしたら。。ちょっと想像がつかないです。私ごときが言うのもなんですが、彼の走りをお母さまはきっとこの決勝の舞台「も」見るいて、彼が走り続ける限りこれからも、天国から息子の走りを見守り続けるのかなと思います。Tebogoさんのお母さま、ご冥福をお祈りいたします。
ちょっと湿っぽくなってしまったが、次のオリンピックまで、陸上競技でのボツワナ選手団を中心に、引き続き注目していきたいと思います。ロサンゼルスで、ボツワナが他の競技でメダルを獲得するのを期待しています。ただ、来年の世界陸上が東京で行われるので、そこで彼の姿を見られたらいいですね。