ケープタウンのオーバーツーリズムから


南アフリカのケープタウンは、アフリカ南部を旅行したい日本人だけでなく、世界的にも有名な観光地になっています。”timeout”によれば (https://www.timeout.com/travel/best-cities-2026)、世界で観光したいところ第6位に、ケープタウンがランクインしています。観光客が増えることで地域経済にとってプラスにはなるのですが、「オーバーツーリズム」になってしまうと今度は地域の家賃の上昇が問題となってきます。このオーバーツーリズムに関しては、昨年バルセロナで抗議活動が起きましたよね。日本では、京都市内の地元の人たちが、通勤や通学にとても苦労しているという話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

このオーバーツーリズムの要因に、観光客向けの短期賃貸の増加があります。代表的なサービスである Airbnb の普及により、ケープタウン市中心部や海岸沿いの住宅が観光客向けの宿泊施設として使われるケースが増えました。地元メディアによれば、観光エリアでは短期賃貸の物件数が急増していて(観光用途への転用で、長期賃貸に対する住宅の供給が減ることを意味している)、家賃上昇につながっていると報じています。

さらに、ケープタウンは近年「リモートワーカーに人気の都市」としても注目されています。デジタルノマドや長期滞在者が増え、住宅需要が押し上げられてしまっています。英紙の The Times も、外国人の流入やノマド滞在者などの増加によって住宅価格の上昇を招いているとしています。

上記2つから言えるのはシンプルに、「多少家賃が高くても、みんなケープタウンで過ごしたいよね?」とある意味、観光客やノマドワーカーの心理をうまく利用して賃料を上げて利益を出す、という事です。

もちろん、人口増加や国内移住など、家賃上昇の要因そのものには他の複数の理由があります。実際に、南アの他の州からも仕事を求めて、ケープタウンのある西ケープ州に移住しているようです。ただ、これらの理由の結果として、住宅が「住む場所」だけでなく「観光ビジネスの資産」となり、その結果、地元南ア住民が住みにくくなる(家賃が高くなって支払いが出来なくなる)という問題が生まれてしまっています。

観光はケープタウンにとって重要な産業ですが、住民の生活とのバランスをどう取っていくかは今後の大きな課題となってくるな、と思います。この記事を読んで、ケープタウンへ行きたくなったという人はいらっしゃらないと思いますが、もしケープタウンへ行かれる機会がありましたら、宿泊代を多めに確保しておくことをお勧めします。多少お金をかけてでも、あの港町へ足を運んでほしいな、と思っています。