今回は、ナミビアとボツワナをつなぐ鉄道が(多分)建設されます、というお話です。

今月の初旬に、いくつかのコンサルが、このナミビアーボツワナを結ぶ鉄道(Trans-Kalahari Railway(以下、TKR)と言います)のfeasibility study(実現可能性調査)を(両政府に)提出し、今後はその調査結果を受けて、資金調達準備の段階に入ることになりそうです。まあ、実現は出来ますよ(儲けが出るとは言っていない)、といった結論だとは思いますが(苦笑)。
とはいえ、あの何もない土地に160億米ドル(日本円で約2.6兆円くらい)を投入して、鉄道を建設したい海外の民間企業があるのかは甚だ疑問ではあります(両政府にそんな巨額の資金を出す余裕はないので、PPPを活用して建設する予定)。「検討する」と述べた企業はあったと記憶していますが。

さて、両国にとって、途方もないと言ってもいいプロジェクト。これには2つの背景があって、南アの鉄道・港湾がいろいろと限界をむかえてきている、という点がその1つ目です。南アの国営企業がこれらを管理・運営しているのですが、多くのものが老朽化した鉄道部門でいい話を聞いたことがほとんどなく、また鉱石や精鉱を輸出する港湾はそのキャパシティーに限界が来ていて、港で商品がダブついてしまっている状況(置いておくだけでもコストになる)です。もう1つの背景は、ボツワナの石炭です。ボツワナ側の始発は、Mmamabulaという、日本人が聞いたことのない名前の村なのですが、ここでは現在、インドの企業が石炭火力発電所を建設中、そして石炭鉱山を開発中です。つまり、「(この企業が)石炭をインドに輸出したいけれど、南アのほうが将来機能しなくなる(すでに機能不全かも)可能性があるから、ナミビアに鉄道輸送して、ナミビアから石炭を出したい」というのが、鉄道建設の背景であり理由です。もちろん、一企業のわがままではなくて、インド側(多分南アも)からも、ボツワナ・ナミビア両国に要請があったと思われます。今さら石炭かよ、と思われる方もいるかもしれませんが、インドの二酸化炭素排出量は、中国、アメリカに次いで世界第3位です。その二酸化炭素は石炭に由来しています。まあ、石炭はコストが安いのでどうしても使いたくなりますよね。

とここまで書くと、鉄路を敷設する価値があるように見えるのですが、私が懸念しているのは、「他に使い道がないのに、どうやって利益を出すのだろう」というところです。

ちょっと長くなるかもしれないので、今回はここまでにして、次回はこの続きを書いてみようと思います。