「トリレンマ」、それっておいしいのかしら?

Xを眺めていたら、タイトルが気になったので(特にトリレンマ)ちょっと読んでみました。ざっくりまとめると、こんな感じでしょうか。

ちなみにタイトルは、『アフリカの成長を阻む政策の「トリレンマ」の背後にあるもの』です。

政策の「トリレンマ」とは、気候変動への適応、工業化、インフラ整備の相互作用で、(アフリカでは)上手くいっていない。 効果的な戦略は(相互作用の)動きを管理する事で、バランスより順序が重要。

https://www.arabnews.jp/article/no-category/article_172976/#

個々の文節で読めば、興味深い話も多々ありますし、マクロな視点で言えば、その通りなのかな、という感想を抱きました。政策を策定する際に、この3項目を考慮したうえで政府は行動する。とはいえ、バランスなんて取れないのだから、優先順位を決めて実施しよう、ということでしょう。
ただ、この方、ちょっとサブサハラの為政者を信用しすぎている感じがします。
というのは、アフリカ南部に限っていえば、「再」工業化は見られますが(例:鉱業部門の再活発化)、新たな工業化はほとんど見られないのですよ(無いとは言えません)。例えば、太陽光発電所の建設は気候変動とインフラ、鉄道の敷設はインフラに該当すると考えられますし(工業化とは言いにくい)、農業はそもそも工業ではないです(農業に最近力を入れ始めた国が少しある)。そして、それらを自前の国家予算だけで実施するのはほぼ不可能。
お金を出したくても、国として出せるのはほぼ米中のみ(他国はIMFなどの国際機関経由)、民間投資にしてもIPPとかPPPという状況が考えられます。
さらに言えば、彼らアフリカ南部の政治家は「雇用機会」にこだわり過ぎています(他はあまり気にしていない)。経済関係のニュースの3、4つに1つは「job creation(あるいはそれ相当の)」の文言が入っていると言ってもいいくらいで(大げさかも)、「えっ、その話題でもこの言葉を入れるの?」と感じてしまう場合もあります。

まあ、率直に言ってしまえば、少なくともアフリカ南部の指導者たちは、筆者が主張したトリなんとかという事象をそこまで深く考えていないはずですよ、という事です。

一方、マクロでみている方だからこそ、以下の文言がでてくるのかなとも思いました。

民間資本は(中略)投資回収期間が長い分野、特に気候変動に強いプロジェクトには躊躇している

これはかなり重要だと思っていて、裏を返すとその長い期間(最低10年以上と推測)、資金の回収を我慢できるだけの体力があればプロジェクトに参画できる、という事です。個人的には気候変動とインフラは結び付いている場合が多いと考えていて、そのような視点で見ると、確かにインフラ事業に中国企業が入り込みやすいよな、と感じています(国が背後で支えていると言われている)。

他にも言いたい事はあまりないので、ひとまずこのあたりで止めておこうと思います。

ご興味がございましたら、上記のリンクから記事を読んでみてください。